症例集

2017.10.22更新

今回は猫ちゃんの消化管の癌のお話です。

最近 元気食欲がなく痩せてきた、よく吐くとのことでご来院しました、14歳と若くないので血液検査 レントゲン 超音波検査を実施しました。

レントゲンではイマイチパッとした結果が得られませんでしたが、超音波検査で消化管に腫瘤があることが判明しました。悪性腫瘍の可能性が高いことをお話しし、手術となりました。

猫 盲腸腫瘍盲腸〜大腸領域に消化管から外側に飛び出している腫瘤が認められました。

盲腸癌 腸間膜転移残念ながら、腸間膜に転移所見も認められました。進行性の腫瘍が疑われます。

盲腸癌 手術後肉眼で見える範囲で病変は全て切除し大腸と小腸を縫い合わせました、大腸と小腸は太さが違うので大腸の切り口を縫い縮めてから小腸と縫合しました。大変でした。

術後は消化管を切ったのでしばらく高栄養点滴だけで飲食はさせません、化膿止めの抗生剤、痛み止めなどを注射し、元気食欲が戻ってきて排便を確認してから、7日ほど入院して退院となりました。

診断名は、大腸癌でした。

肉眼で見える範囲の病変は切り取りましたが、すでに消化管の外にまで腫瘍が飛び出していて腸間膜にも転移所見が認められたので、延命を期待して抗癌剤のお話をしましたが、とりあえず今は元気食欲が戻っているので抗癌剤はせずに経過観察となりました。

14歳にもなってくると、病気ではなくても自然と食が細くなって痩せてもきます、、病気なのかどうなのか?の見極めは難しく、やはり血液検査やレントゲンや超音波検査などで見つけて行くしかありません。

お年を召してきて 食が細かったな、痩せてきたな、と思いましたら、やはり健康診断的に検査をお勧めします。

 

猫 大腸癌切除 小腸大腸吻合 5〜7日入院 入院費総額15〜18万円 (腫瘍の大きさ 難易度による)

 

投稿者: アプリコット動物病院

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