今回は特にダックスで多い根尖膿瘍という病気です。一般的に頬が腫れて、酷いと膿が出たりします。
こんな感じになっちゃいます。ダックスで多いのですが、全ての犬種でなります。この原因は第4前臼歯にあります。
第4前臼歯は前から4番目の奥歯で犬が一番よく使う歯なんです。ですので根っこも3本に分かれていて、さらにとても根っこが深くなってます。
こんな感じで上顎骨に埋まってます。
歯茎から表に出ている部分よりも骨に埋まってる根のほうが長いくらいです。それが災いしてかその第4前臼歯が折れてしまったり歯石で酷い状態になってしまうと、長い根を通じて細菌が周囲の骨を溶かし、しまいにはその外側の頬を腫らすのです!
こんな感じで歯石でぐちゃぐちゃだったり
こんな感じで割れて穴が開いてしまってたりすると。
レントゲンを撮ると歯を支える周囲の骨が黒く抜けて溶けています。
唯一の根治術は抜歯になります。抗生剤やステロイドなどで一時的に頬の腫れは引きますが、感染源の歯が残っている限り必ず再発します。歯を完全に抜けば再発しません。
抜いた歯を見ると歯の中に穴が開いていて、根っこの部分にも穴が開いています。歯や骨を溶かす細菌の恐ろしさが見てわかります。
抜歯した後は化膿止めの抗生剤や痛み止めの内服を数日分処方して基本的に日帰り〜1泊の入院になります。手術後5日ほどは柔らかい食事を与えます。その後は固いカリカリフードも食べれます。そして頬の腫れも数日で治ります。
抜歯して1週間程で腫れは治ります
第4前臼歯に歯石がびっちり付いていたり、割れて穴が開いているような場合はしばらくして頬が腫れる可能性が濃厚です。お気軽にご相談ください。
小型犬 根尖膿瘍治療 第4前臼歯抜歯 他の歯の歯石除去研磨も含め 日帰り〜1泊 費用総額 4〜6万(歯石の酷さ 抜歯本数や難易度による)