臭い鼻水 クシャミ 口腔鼻腔瘻 犬 習志野市 津田沼 アプリコット動物病院

今回は口腔鼻腔瘻という病気です。
症例はMダックスさんで症状は長期間続いているクシャミと悪臭を伴う鼻水です。
クシャミや鼻水という症状でしたら、単純なバイ菌感染による鼻炎や鼻のダニや異物、鼻の中の癌、免疫性の鼻炎など様々な原因が考えられますが、今回のクシャミ鼻水の原因は鼻の中ではなく口の中にありました。


口を開けてみると歯茎にポッカリ穴が開いています。どうやら他院で虫歯を抜いたらしいのですが、その後抜いた穴が閉じずに開きっぱなしになっていたようです。このように穴があいていると食べたゴハンが穴を通じて鼻の中に入ってしまって鼻炎を起こしてしまいます、またそのゴハンが鼻の中で腐敗して悪臭のある鼻汁としてクシャミにより排泄されます。このように口と鼻を貫通する穴が開いている状況を口腔鼻腔瘻と言います。ワンちゃんの犬歯は根っこが奥深いため虫歯によって歯肉が減退するとやがて鼻に貫通する穴を形成してしまいます。ちなみにこの子は左の犬歯もグラグラして抜け落ちる寸前でしたので両方同時に手術しました。


治療は穴を塞げばいいのですが、長期間経過した穴は単純に糸で縫っただけでは必ず再び開いてしまいます。穴の周囲を切り広げて新鮮なキズを形成してその後縫合します。(写真は穴を広げて鼻の中の粘膜を観察しています)


こんな感じでクチビルの内側の粘膜を利用して穴を閉じます。糸は融けて消える糸を使用しますので抜糸は必要ありません。



手術から3ヶ月後です、使用した糸も融けてなくなり、左右ともに綺麗な口腔粘膜が再生しています。
不快なクシャミ鼻水も手術後から無くなって、ワンちゃんも飼い主様も快適に過ごせています。

クシャミ鼻水というと鼻が原因と思われますが、このように口の中の虫歯が原因で起こることもあります。
最近では歯石予防の処方食以外にも歯石除去スプレーなど様々な口腔ケア用品があります。その子その子に適した予防法を定期的に実施して虫歯を防ぎましょう。

犬 口腔鼻腔瘻閉鎖手術 日帰りもしくは1泊入院 費用総額4〜6万円(穴の大きさによります)